広島弁護士会所属 福山市の弁護士森脇淳一

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剃髪

2021.02.28

 昨年10月中旬から12月にかけていくつかの案件(注1)を引き受けたことに加えて、平成31年頃引き受けた比較的実のある訴訟について判決が出始め、その判決に控訴するかどうかを依頼者と打ち合わせたり、控訴することにした事件について控訴理由書を書いたり、そうこうしているうちに令和元年から昨年にかけて受任した事件についても佳境(争点整理終結、人証調べ)に入って、主張をまとめたり、尋問の準備をしたりしなくてはならない。「事件管理」など考えてこなかったツケも回り(注2)、依頼者から「依頼した事件はどうなってますか?」と言われたり、裁判所から「書面提出期限は今日までですよ」とか「依頼した書面はいつ出るんですか」などという連絡も来る。正直、目の回る忙しさ、何とかギリギリ倒産(事件処理が追いつかず、お手上げになること)を免れている状態である(注3)。
 加えて、(私の)ホームページを見ました、などと電話やメールで法律相談の依頼があると、原則断ら(れ)ないので空き時間は相談で埋まるし、突然の私選弁護(示談交渉)の依頼や急いでしなければならない保全事件の依頼なども飛び込んでくる。したがって内容のある書面は事務所では作れず、土日や「自宅勤務」日を作って自宅で作成するようになって久しいが、依頼を受けながらなかなか訴状や申立書に着手できない事件もある。その依頼者の顔が頭にちらつくのであるが、どうしようもない。真面目な弁護士さんがよくうつ病になったりするが、こういうことが原因なんだろうと思う。
 裁判官時代は手元(の仕事量)を見ながら、次回期日(判決期日を含む)を先にしたりすることができたし、「突然の仕事」が入ることも少なかった(注4)ので、こんな思いをしたことはなかった。
 弁護士の仕事は大変だな、と思う日々である(注5)。 
 
(注1)1件だけ飛び抜けて訴額の大きい事件があるが(着手金はまだいただけていない)、いずれも訴額は数十万円から数百万円止まりであるものの、訴状を書く手間は訴額とは関係がない(むしろ、他の弁護士が手を出さないような難解な案件が多い)し、必要書類を遠方の役所から取り寄せなければならない事件も多いので、準備に結構時間が掛かっており、お待ち頂いている依頼者の方には申し訳なく思っている。
(注2)他の弁護士の方々はどうしているのだろうと思う。裁判官時代は、事件管理はすべて書記官がやってくれていた(既に書いたが、やらなければならない仕事は書記官がその記録を机の上に出してくれた)ので、正直、私にとって、最も苦手な分野かもしれない。
(注3)私は、現在、予定の仕事はスマホなどからグーグルカレンダーにいれ、私も弁護士なりたての頃使っていた日弁連発行(?)の「訟廷日誌」(以前は、大抵の弁護士が使っていた予定を書き込む黒表紙のもの)は使っていないが、時々、入れた予定がいつの間にか消えていて、あれっと思うことがある。先日は、とうとうグーグルカレンダーに入れていたはずの遠方への出張を伴う裁判の期日と調停委員としての仕事の予定が消えていて、期日変更の申立てと、調停委員の交代を依頼しなければならない大失態を犯してしまった。しかし、だからといって、その便利さ(スマホでグーグルカレンダーに入れた予定は即座に事務員さんのパソコンにも表示される(逆も然り))から、「訟廷日誌」に戻る気にはなれない。
(注4)刑事裁判官だと、準抗告(地裁)や抗告(高裁)が予定外の仕事であり、民事裁判官だと行政事件訴訟法に基づく執行停止事件がそうだろうが、私は後者の経験はなく、前者も(夜の会合などに出られなくなって残念な思いをしたことはあったが)、大抵1日仕事なので、今ほどには予定外の仕事で他の予定にしわ寄せが来ることはなかった。
(注5)既に書いたが、読みたい本、勉強しなければならないので購入した裁判官時代には勉強したことのない法分野の本などを読む暇もなく、弁護士になったら解消するかもと期待していた「積ん読」本も増えるばかりである。また、平成31年(令和元年)度までは比較的真面目に出席していた私が所属する広島弁護士会本会や福山地区会の委員会への出席もサボりがちで、申し訳なく思っている。 
 
 さて、表題のことであるが、私は先月23日の休日に頭を丸めた。
 ある事情で、私は自分の顔写真は極力表に出さないようにしているから、私の頭を見て驚か(驚いているのは私だけかもしれないが)ないでいただきたい。
 今日は、人にはどーでもいい話であるが、その理由について記したい。 
 
 ハゲるかどうかは母方の祖父に似る、と聞いていたので、私が物心ついたときには若干の黒髪のほかには毛がなかった祖父の頭の記憶から不安であった。他方、父は若いときから白髪であったが亡くなるまでフサフサだったので、そちらに似るよう願っていた。しかし、私はどちらにも中途半端に似て、父ほど早くはないが広島高裁に勤務していた50歳頃には白髪が目立つようになり(そのときの仕事のせいもあったと思っている)、ここ数年、祖父ほどひどくはないが頭頂部がさみしくなってきた。
 白髪対策は、(一度は美容院で染めたが、なんだか痛い思いをしたし、不自然に思えたので)ヘナとインディゴで染めるようにしたが、結構手間だし、詳しくは述べないが冬は寒くておっくうだ。
 頭頂部の方は、当初は髪が数センチ以上は伸びなくなって、長髪にすると河童(落ち武者?)のようになるので全体を短くし、頭頂部が目立たないようにした。
 しかし、昨年末くらいからはとうとう頭頂部の地肌が見えるようになってきたようだ(もっと早くからだったかもしれないが、自分では見えない場所なので不明)。
 そうなると、髪を残す以上、どうあがいても落ち武者になる。
 しかも、最近、前頭部からもはげ上がってきた。
 身近な人は、私に対し、思い切ってスキンヘッドにしろとやかましい。
 そしてとうとう決意した、という流れである。
 やってみると、頭がスースーして気持ちがいい。
 人の目さえ気にしなければ、これがいいかな、と思っている。