広島弁護士会所属 福山市の弁護士森脇淳一

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弁護士の仕事(2)

2019.06.28

 ここ1か月くらいだと思うが、このホームページを見て相談の予約電話をもらうことが多くなった。私は、某有名弁護士検索サイト等でも無料で(感謝!)紹介してもらっているが、それらのサイトを見て電話してくる方とほぼ半々の印象である。このホームページを見て予約してくださる方の中には、このホームページの「法律相談の予定表」(注1)で、私の相談可能な日時を把握して電話してくれる方もいるので、私が頻繁に予定表の更新をする意欲を高めてくれている。
 相談内容は雑多だが、訴訟案件は少なく、圧倒的に交渉や、家事事件を含めた親族間あるいは近隣紛争の案件が多い。そして、それらの相談者の中には、他の弁護士事務所に電話をしたが、電話で相談内容を話しただけで相談を断られた、とか、相談に応じてくれた弁護士に受任してもらおうとしたが断られた、という方が結構いることに驚かされる(私は二番手以下であったことが分かるが、駆け出しだから仕方あるまい)。
 いずれも、目の前の事象にどう対応してよいか分からず、困っている方々なので、そのような人に、私で良ければと受任し、まだごく少数だが紛争が解決し、感謝されると、正直うれしい。しかし、そのような案件は、訴訟にまで至ることはすくなく、交渉や調停を続けることになるが、それでも結構手間や時間はかかるし、いずれも「訴額」(紛争を解決することによって依頼者が得る経済的利益)はないか、ごく少ないから、旧日弁連の基準に照らしても、着手金や報酬は少額しか請求できない。また、そもそも事件に巻き込まれて出費を強いられ、困っていたり、予期せぬ出費に耐えられない方も多いから、請求することすら躊躇してしまう(注2)。
 法律事務所を維持するには、事務所の家賃、電話料や複合機のメンテナンス料、図書費、事務員に支払う給与、そして弁護士会費や、自らの交際費、交通費など結構お金がかかるから、そのような案件を断る他の弁護士を批判することはできない。私は、森谷弁護士の事務所に合流させていただき、初期費用がほとんどかからず、事務所経費も分担なのでやれているというだけなのかもしれない。

 ところで、私はまだ相談や受任の依頼を断ったことがない。なぜだか改めて考えてみると、たしかにまだ受任事件が少なくて余裕があるということもあろうが、実は、私は、そもそも依頼を断るという発想が希薄なことに気づく。もちろん、不当訴訟の依頼が来たら断るつもりはある。しかし、裁判官時代、事件(以下、民事事件を念頭に置くが、刑事事件でもあり得る話である)が係属した当初は、原告の請求は認められる筈もない、とんでもない訴訟だ、とか、原告の請求はもっともで、被告がなぜ原告の請求を争うのか分からないと思った訴訟でも、その事件の担当からは逃れられなかったし(当然のことながら、裁判官が配点された事件の担当から逃れる方法は、通常、転勤しかない)、当初そのように思った事件でも、その多くは、審理を重ねるうちに当事者がそのような主張をすることにも一理あるな、と思わされたという経験が影響しているのかもしれない(だからこそ、代理人である弁護士が、その事件を受任したということなのだろう)。
 以上が、弁護士経験8か月目の私の仕事の状況である(注3)。
 
(注1)私のホームページは私自身で更新できる部分も多く、「法律相談の予定表」もそうであり、電車に乗っているときなどの空き時間に、弁護士になってから初めて使い始めたスマートフォンで更新することも多い。「法律相談の予定表」という表題は、業者の方が考えてくださったものだが、ちょっと違う感じがしている(あくまで、私に仕事の予定がない時間を表示しているに過ぎない)ものの、ほかにいい表題も思い浮かばない。何かいい表題案があれば、「お問い合わせ」のページから、メールでお知らせ願いたい。
(注2)まだそのような案件について、法テラスの援助を使ったことはない。法テラスの代理援助立替基準によると、示談交渉事件の援助金額は(相当幅があるが)5〜10万円のようだから、それくらいならば(生活保護世帯や準生活保護世帯とはいえない方が多いから、法テラスに対する償還免除は受けられないだろう)、「法テラス基準」より、多少減額してでも直接支払ってもらった方が、法テラスの援助決定を受ける手間を考えると、お互いに楽である。
(注3)私は、ほぼ毎月1回、昼休みの時間帯に福山地区会館で開かれる福山地区会の各委員会(私は自発的にではないが4つに加入している)の会議及び多くは夕刻、広島市の広島弁護士会館で開かれる3つの委員会・PT(プロジェクトチーム)の会議(ほとんどは、福山地区会館からテレビ会議システムを通じて)に、出来る限り参加している。裁判官時代、忙しい弁護士が、なぜ委員会活動(手弁当での人権訴訟への参加も同様)血道を上げるのか不思議だった。しかし、弁護士になった今、その理由がなんとなく分かる気がする。つまり、こういうことではないだろうか?
 弁護士には、通常、本当の意味で一緒に仕事をする「同僚」がいない。しかし、委員会活動や、人権訴訟における相弁護士は、数少ない「同僚」といえる存在である。通常自分ひとりの判断・決断で仕事をしなければならない孤独な弁護士は、それらの仕事を通じて孤独を癒し、またひとりでたたかう力を得るのだと(違っていたらごめんなさい)。
 弁護士会会長になりたいからであろうかなどと、下衆の勘ぐりをしていた過去の自分が恥ずかしいかぎりである。